相続関連の法改正で知っておきたいのが「相続登記の義務化」です。
これまでは法的な義務ではなかった相続登記が「義務」となり、違反には罰則の適用もあります。
義務化の施行は2024年からですが、登記義務は過去に遡って適用があるため、相続不動産に関するトラブルを防ぐためにも今の時点から相続登記はぜひやっておくべきです。
本記事では、相続登記の義務化について、その内容や制度のメリット、手続きの方法・期限等を解説していきます。
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不動産の相続や相続登記でお困りの際は当法人にご相談ください
不動産登記は無資格者の一般人が行っても問題ありません。
ただし、実態としては必要書類の収集から書類準備などの手間や難易度を考えると、専門家(司法書士)にお願いするのが一般的です。
相続による不動産登記の場合、相続人間で誰が不動産を引き継ぐのか、売却して現金を分けるのかなどの調整も必要です。
このような調整にかかる手間や時間を考えると、登記だけでなく相続が発生した段階からプロのアドバイスを受けることをおすすめします。
当法人は不動産相続に関する問題やお悩みに対応するために設立された機関です。
不動産の相続に詳しい相続コーディネーターが窓口となり、問題解決のお手伝いをさせて頂いております。
分割案の提案や売却処分のご相談などはもちろん、各種専門家と連携しておりますので相続登記に関するご相談も頂けます。
ご相談者様は相談の種類や手続きの別に相談窓口を変える必要はなく、当法人にご相談頂くことでワンストップで解決につなげることが可能です。
【重要】2024年から相続登記が義務化予定
相続登記の義務化に関する法律はすでに成立していて、施行時期も決定されています。
2024年の4月1日から義務化が完全施行されるので、これを見据えて改正法の効果や適用される範囲、罰則などについてしっかり理解しておくことが重要です。
そもそも相続登記とは?
相続登記はよく「名義変更」などとして紹介されますが、「相続を原因とする所有権移転登記」が正式名称です。
不動産の登記システムは所有権者などの情報を登記に反映させ、その不動産に関して誰がどのような権利を持っているのか、外から見てわかるようにするためにあります。
たとえば、Aさんが不動産Bを所有していたとして、これが登記に反映されていればAさんに所有権があることが誰にでもわかります。
その後、Aさんが死亡し、長男のCさんが不動産をBを引き継いだとしましょう。
ここで登記をしておかなければ、登記簿(=Aさんが不動産の所有者になっている)と実態(=Cさんが不動産を引き継いだ)にズレが生じてしまいます。
このズレをなくすのが名義変更であり、相続登記です。
どのようなシーンで相続登記は必要?対象は?
相続登記はおもに「相続した不動産を売却したいとき」に必要です。
売却交渉が始まると、買い手は必ず対象不動産の登記簿をチェックします(不動産物件の所有者等を確認するため)。
交渉の場で売り手の本人確認を行い、それと同時に同人の名前が不動産登記簿上の所有権者の欄で確認できるかどうかがチェックされます。
相続登記を行っていない場合、登記簿上の所有権者の欄は亡くなった被相続人のままですから、真に所有権を持つ者が確認できない状態です。
そのため仮に相続時に相続登記がされていなくても、売却を考えるシーンでは必ず登記手続きが求められることになります。
相続登記が義務化されるとどうなる?罰則・問題点は?
2024年4月1日以降は、相続の発生を知った日から3年以内に相続登記をしないと10万円以下の過料に処せられます。
義務化以前の相続であっても、義務化以降は未登記物件を相続しないと同様の罰則が適用されます。
また、相続登記とは別に不動産の所有者に関して氏名や住所に変更が生じた場合の変更登記も義務化されます。
なぜ相続登記が義務化されるの?
相続登記の義務化がなされた背景には、所有者不明の土地が日本国内で急増している事情が関係します。
これまでは相続登記が義務ではなかったため、登記にかかる手間や登記費用を嫌って手続きをしないケースが多くありました。
未登記の不動産の所有者に代々相続が起きると、その相続人は雪だるま式に増えていき、相続人を調査することも難しくなります。
平成28年の時点で国が行った調査では、所有者不明の土地は全国で20.3%におよび、これは九州ほどの面積に相当します。
■出典:国土交通省-地籍調査における土地所有者などに関する調査
これだけ広大な土地が所有者不明と、土地開発や災害復旧がスムーズに進められず行政が困るケースが全国で頻発しています。
こうした問題への対処法として「相続登記の義務化」が実施されます。
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相続登記義務化に関する重要ポイント
相続登記義務化に関しておさえておくべき重要なポイントを確認していきましょう。
義務化は過去の相続も対象(=遡及適用)←放置厳禁
繰り返しとなりますが、相続登記の義務化は施行日よりも前に遡って効果の適用があります。
「我が家の相続は、義務化前に起きたから関係ないでしょ」とはならず、義務化前に相続した不動産であっても相続登記が義務付けられます。
義務化以降は期限内に登記手続きを取らないと罰則の適用もありますので、現時点で未登記の不動産がある場合はすぐに手続きをとることを強くおすすめします。
義務化にともない相続登記が簡素化されます
もう一つのポイントは国民側に有利な改正点です。
登記が法定義務化されることに伴い、以下の新制度が始まることになりました。
①相続人申告登記の新設
相続登記が法定義務になったとしても、遺産分割協議がなかなかまとまらないなどで登記をしたくてもできないということもあるでしょう。
その場合でも登記をしなければ罰則を課されてしまうので、この不利益を避けることができるよう「相続人申告登記制度」が作られました。
不動産の所有権の処遇が決まらなくても、「自分が相続人です」と法務局に名乗り出ることで、登記官が暫定的に登記に反映させることができるようになります。
この申し出は他の相続人の協力などは不要で単独ででき、申出人の氏名や住所などが登記に付記されます。
【注意】
この相続人申告登記は正式な登記ではないため、遺産分割協議がまとまり正式な所有権者が決定したら、その日から3年以内に正式な相続登記をしなければなりません。
②土地所有権を国庫に帰属させる制度の創設(相続土地国庫帰属法)
もう一つは、不要な土地については所有権を手放せる制度です。
所有者不明の土地が増えた理由の一つに、これまで国民には純粋に不動産の所有権を手放すという選択肢が無かったことがあげられます。
売却すれば所有権を手放せますが、たとえば不要な家電のように不動産を「捨てる」ということはできませんでした、
そこで、条件を満たせば土地の所有権を手放し、国庫に帰属させることができる制度が作られました。
ただし、所有権を手放し国庫に帰属させるにはかなり高いハードルがありますのでご注意ください。
土地所有権の国庫帰属の条件
▼制度利用の条件
1.建物や通常の管理又は処分を阻害する工作物等がある土地
2.土壌汚染や埋設物がある土地
3.崖がある土地
4.権利関係に争いがある土地
5.担保権等が設定されている土地
6.通路など他人によって使用される土地 など
制度利用時には、国庫に帰属させたあとの10年分相当の管理費用のほかに、審査手数料の支払も必要です。
国の試算によると、10年間の管理費用は原野など手のかからない土地で約20万円、市街地の宅地(200㎡)であれば約80万円を想定しています。
条件だけでなく、費用面のハードルもかなり高いのが欠点です。
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相続登記をしないと相続人にも不利益があります
相続登記が法律による義務となることで、国民側としては「やらされる感」を強く感じるかもしれません。
ただ、登記が義務化される前から、相続登記をしないことにはいくつかのリスクがあるため、できるだけ早めの登記が勧められていました。
次の相続(数次相続)がややこしくなる
遺産分割協議などによって権利者を確定する前に別の相続が起きると、次の相続も開始してしまいさらに協議がまとまりにくくなります。
これが代々続くことで相続権利者が雪だるま式に増えてしまい、もはや権利を持つ者を特定すること自体が難しくなってしまいます。
このような連続した相続を「数次相続」といい、大切な不動産の権利者がわからなくなったり、協議をまとめるのが困難になるなどしてより不動産の売却が難しくなります。
トラブル防止の観点からも、相続登記は早めに済ませておくべきです。
差し押さえの危険性がある
相続人の中に借金がある者がいる場合、債権者によって差し押さえされる可能性があるので要注意です。
債権者(=お金を貸している人)としては自らの債権を保全するために行動できます。
債務者に相続不動産の権利があれば、債権者は債務者の法定相続分を登記したうえで、これを差し押さえることができます。
債権者が勝手に債務者の登記ができるのは、民事上の債権者代位権という権利があるためです。
仮に、遺産分割協議によって債務者以外の相続人が不動産を取得することになっていたとしても、登記前であれば借金代わりに不動産を持っていかれる危険性があります。
ですから、遺産分割協議によって所有権を取得した相続人は、できるだけ早く相続登記を行い名義変更を済ませておくことが望まれます。
持分が売却されるリスク
こちらは相続人に借金がなかったとしても起こる可能性があるリスクです。
ある不動産を相続人Aが所有権100%で取得することが決まっていても、登記するまではほかの相続人が自分の法定相続分を登記できてしまいます。
つまり、遺産分割協議で決まったことを無視して、自分の相続分を登記→その相続分を他人に売却することができてしまいます。
自分の不動産だと思っていた相続人Aからすると、知らないうちに不動産の一部が他人のものになってしまうわけです。
事前の遺産分割協議がどうであれ、一度持分を売ってしまうと買い手が保護され、もう持分は戻ってきません。
相続登記を速やかに実施しないと、こういった不利益を被るリスクがあると認識しておきましょう。
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相続登記の相談先について
相続登記については手続きを怠ったり、速やかに実施しないことで様々な不利益を被る危険があります。
一般の方では予想しにくい被害を受ける可能性もあるので、相続した不動産の登記に関する不明点は専門家に相談しましょう。
相続登記の一般的な相談は司法書士へ
一般的に、相続登記は「司法書士」の得意領域となっています。
相続不動産に関する相談はまずは司法書士にするとスムーズです。
ただし、遺産分割で揉めている場合などは法律交渉ができる弁護士への相談も検討してみてください。
当法人では相続登記、相続税、不動産の売却をまとめてサポートします
当法人は相続不動産に関するあらゆるご相談を受け付けております。
相続登記については司法書士と連携して対応いたします。
必要に応じて、不動産の売却処分まで窓口ひとつで対応できますので、不動産相続のトータルサポートをご希望の方はぜひ当人にご相談ください。
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相続登記に関するFAQ
ここで相続登記に関してよくある質問に回答します。
Q1:未登記物件であっても相続登記は必要ですか?
A:相続登記が未登記の不動産がある場合、2024年4月1日以降は相続登記義務化の効力がおよぶため、同日から3年以内に登記しなければなりません。
義務化までは違法ではないとしても、未登記の状態は上の章で見てきたようなリスクがありますので、ぜひ早めに登記を実施するようにしてください。
Q2:相続放棄する場合でも相続登記は必要ですか?
A:相続放棄をすると、放棄した者は最初から相続人ではないものとして扱われます。
不動産に関しても一切の権利義務を引き継がないことになるので、相続登記の手続きは不要です。
まとめ:相続登記は義務化予定!トラブル防止のためにも必ず行おう
相続登記の義務化は2024年の4月1日から開始される予定です。
この日が到来すると、その時点で未登記の不動産すべてに義務化の効力がおよぶ点にご注意ください。
義務化前であっても、相続登記ができていない不動産があれば今のうちに登記を済ませておきましょう。
ほかにも「相続人申告登記」や「土地の国庫帰属制度」ができるなど大きな変更点があり、相続不動産の扱いはケースごとに適した方法を考えていく必要があります。
当法人は不動産度相続のプロ集団です。
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